以森伝心リポーター報告

 以森伝心リポーターが現地取材してきたモデルフォレスト活動のリポートを報告します。

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森林ボランティア団体等円卓会議

リポーター 上田 茉由

 7月13日(日曜)13時から、平安会館にて「森林ボランティア団体等円卓会議」が開かれました。参加者は府内の森林ボランティア18団体等の34名。京都モデルフォレスト協会の取組状況の報告のあと、「森づくりの夢を語ろう」というテーマで意見交換を行いました。

 今回円卓会議に出席して、いろいろな団体の方から直に活動の様子や課題、それぞれの森への思いを聞くことができました。共通の課題の一つである人材確保の対策としては、「飲み会で仲良くなるのが一番!」という意見に満場一致でした。また、活動地や活動内容は団体によって違えども、強い思いを持って活動をしているのはどこも同じ。みなさん、活動に誇りを持って楽しく取り組んでいます。これほどの仲間がいたことが嬉しく、森に関わる活動の素晴らしさを再認識しました。

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各グループでの話し合い(中央が筆者)

森林ボランティアリーダー養成講座(第5回)

リポーター 上野 美紀子

 11月1日、第5回目の森林ボランティアリーダー養成講座が開催され、下村泰史氏(京都造形大学准教授)による講義が行われました。参加者は18名で、ボランティア団体の方々のほか、大手企業で環境管理に携わる方々が多く参加していました。

 下村氏は、野外活動の企画立案について「いつ、どこで、何を…」という5W1Hに沿って、「自然に学び、異なる立場の人々と深くコミュニケーションすること」が何よりも大切だとお話しました。

 具体的には、

  • 自然の生態リズムや、山村仕事のサイクルを知り、活動の時期を決める。俳句や歳時記から季節感を学ぶことは必須
  • 地図をもとに徹底的に歩く。専門家と一緒に歩くと、知識が深まるにつれ里山の風景が奥行きを持って見えてくる
  • 活動のあらゆる場面で、立場や意見の異なる人との交流と相互理解が必要

といった内容が紹介されました。

 深く印象に残った言葉は「山村での野外活動を企画する際には、地元の人の思いに応える感性が必要。地元の人が見てきたものに寄り添い、どんな活動をするか考えるべき」というものでした。環境やエコという言葉で、一時的なイベントを企画するのではなく、山村の「今まで」と「これから」を考えて、活動を計画していく事が何よりも重要だと実感しました。

 講座の後は、里山林の整備実習として、山菜園の道づくりが行われ、翌日には間伐の実習も行われました。

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写真などで事例を紹介する下村氏

竹の環プロジェクト「竹林間伐ボランティア」

リポーター 西本 雅則

 10月18日、秋晴れの下、第3回「竹の環プロジェクト」が行われました。当日は協会会員や京都大学からの参加に加え、共催者の住友生命から91名の参加があり、総勢200名による、協会のイベントのなかでも最大規模になりました。

 はじめに、柴田昌三氏(京都大学教授)からレクチャーがあり、「かつての管理された竹林ではタケノコも生えやすく、竹林が外部へ拡大することもありませんでした。しかし竹林が放置されて、タケノコも生えにくくなり竹林が周囲へ進出しています。どんどん伐って、タケノコの採れる竹林を目指してがんばりましょう。参加者の皆さんは春にタケノコ収穫に参加する権利がありますのでお楽しみに!」と参加者の興味を引く内容でした。

 竹伐り作業体験では、住友生命からの参加者の班に同行しました。最初に森林インストラクターの方がお手本を見せると、伐り倒される竹の音に驚きの声があがりました。参加者からは「久しぶりに自然に接して楽しかった」、「転職して森林整備がしたい」、「竹林の荒廃を知って驚いた」などの感想があり、楽しいだけではない自然環境保全に関して貴重な体験を得られたようです。

 この活動は、産・学・官・市民が参加する地域活動の良いモデルになっています。森林整備の意義を参加者に周知し、地域団体と交流して進める森林整備のあり方として進んだ活動でした。

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同じ職場なので、チームワークもばっちり

京都モデルフォレスト運動2周年記念シンポジウム

リポーター 大場 みゆき

 11月16日、京都市内のアバンティホールで京都モデルフォレスト運動2周年記念シンポジウムが開催されました。著名なゲストが来られるとあって、会場は様々な年齢層の聴講者で満席でした。カナダからのゲスト、QWEB理事長 シルヴァン・ラベ氏の話からは、京都議定書に関する新しい方向性を知ることができ、写真家 今森光彦氏による風景、暮らし、動植物の美しい写真に心が和みました。

 京都大学名誉教授 養老猛司氏は、独特の語り口で語られ、「人工とは人間の意識が作り出したもの。その外側にあるのが自然。どれだけの人が本気で自然を身につけるかで、未来が変わる」という言葉が大変印象に残りました。養老さんが子供だった時代には、農業、林業、水産業等、直接自然に働きかける第一次産業がしっかりと生活を支え、自然とのつきあい方が生活の中に染み込んでいたようです。自然と人間社会の間を行き来し、自然を五感で学ぶ、このことが現代の社会問題や環境問題を解決するときの助けになると話されました。

 お話を聞いて、自然に関心を持ち、経験的に学ぶことの重要性を再認識しました。現代を生きる私たちのライフスタイルや価値観も、少し変えてみる必要があるかもしれません。シンポジウムの最後は「自然を学びに野山で出かけよう!」という言葉で締めくくられました。森は自然を身につける格好の場所です。人工の象徴である都市を飛び出して、森に出かけたくなりました。

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来場者で賑わう会場

森林ボランティア活動安全講習会

リポーター 絹川 雅則

 3月1日、南丹市の府民の森ひよしで、森林ボランティア活動安全講習会が開催されました。16の団体や企業から総勢25名集いました。

 はじめの講義では、「伐倒は抜刀にあらず 浴びせ倒しはダメ」、「つるは作業者の命を守るもの」等、講師の古屋氏の杣人らしい訥々とした語り口から飛び出す「森言葉」の面白さに魅了されました。室内実習ではチェンソーの目立て(刃をやすりで鋭く研ぐこと)を体験し、これがまずいと山の中で作業がはかどらないとの教えに、一同真剣な面持ちで臨みました。

 次はいよいよ玉切り実習です。地面に置いた丸太を輪切りにしていきます。チェンソーの始動から停止までは、やはり緊張した時間が走ります。どうやら参加者の何人かは作業の未経験者のようで、中には始動にてこずる人、及び腰の人もおられましたが、皆さん見事に玉切りを終了しました。その後、更なる高等技術のデモを古屋氏に見せてもらい、一同感嘆の声でした。

 修了証交付の後、弁当をつつきながら自然発生的に交流会へ突入し、森に関わるNPOや企業の方々が情報交換をしました。ここから、新たな動きも生まれるような気がしました。

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チェンソーの取り扱い方の講義の様子

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